きっかけは高精度気圧センサ(DPS310)で気温・湿度・気圧を30秒ごとに記録していた時に、風の強い時間帯に気圧に細かい変動があることに気が付いた。
もしかしたら、気圧変動で風の強さを推定できるのではないかと思い、開発を始めた。
風通りのよい位置に設置すればと思ったが、気圧変動は風の通らないところでも起こっている現象なので、まず屋外ガレージに風が当たらないように塩ビパイプの中に入れて設置してGoogleドライブにデータ記録してみた。
2023年1月24日の夕方から気温低下と強風(北風)が吹き、その風を検知することができた。
気圧変化が屋内でも観測できれば(通気性のよい家屋)風モニタできるのではと考えて、屋内に追加でセンサ設置してみることにした。細かい数値は異なるが、大まかな傾向は一致することがわかった。
屋内で外部の風をモニタできると何か用途が広がるのではないだろうか? 山小屋とか海などの定常的に風をモニタしたい場所で有用と思っている。
現在GoogleDriveに3地点での風推定データを記録して検証中。 作者の住んでいる国分寺でのデータはここから確認できる。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1DYGhR8zehRuNAu9pcb6WNpLOg1QdvT7a2yYcN6yekGk/edit#gid=595799681
・長所 屋内計測が可能(気圧変化が屋外と同じであれば可能) 遮られている場所でも可能(ビル街とか高層でも可能) 単純な処理(マイコンレベルで演算できる)
・短所 風速と完全一致しない(原理の違い) 同じ高さを維持させる必要(高性能な気圧センサなので動かすと変化してしまう) 時間分解能が悪い(30秒という時間間隔)
応用1
ペンレコーダーで5分ごとの風推定を長時間記録
記録間隔(interval) 5min
紙送り(Paper speed) 15mm/6h(Step)
磁石は筆圧の確保用 The magnet is for ensuring the pressure of the writing
応用2
屋内の小さな部屋に設置すると、ドアの開閉による急激な気圧変化で、ドアの開閉を検知できます。
「風推定センサデバイス」にアーチファクトとしてのシグナルを利用できます。
風推定センサをスイッチサイエンスで発売しました。
演算をセンサ内部処理して、30秒ごとに推定値をシリアル出力します。
マイコン側は送られてきた値を表示するだけです。
この開発経緯を同人技術誌に書きました。スイッチサイエンスで販売しています。
「風を視る - 風推定法の提案とその応用」
構成
新版 M5StackBasic + GPS310気圧センサ(Grove接続)
旧版 M5StickCPlus + GPS310気圧センサ(Grove接続)
推測方法
0.5秒ごとに気圧を計測して、30秒間の最大値と最小値の差を求めて、瞬間の風量と推定させる。
10回の平均と最大値で平均風量と最大風量を5分ごとに算出する
それぞれをLCD画面に表示する
30秒データの詳細トレンドグラフ(2時間)と6分平均トレンドグラフ(24時間)の切り替え表示
記録
算出した推定値を30秒ごとにGoogleドライブにWifiで送って記録させる。
M5Stack版ではSDカードにテキスト出力
注意
気圧変動からの推定値なので風速や風向ではなく強さのみを計測。
風の大きさ(原因となる気圧差変動から推定)を継続的にモニタしてアラーム的な用途を目指す。
・長所 屋内計測が可能(気圧変化が屋外と同じであれば可能) 遮られている場所でも可能(ビル街とか高層でも可能) 単純な処理(マイコンレベルで演算できる)
・短所 風速と完全一致しない(原理の違い) 同じ高さを維持させる必要(高性能な気圧センサなので動かすと変化してしまう) 時間分解能が悪い(30秒という時間間隔)
用途 風の強い地域での定点観測(山や海など)