『iPad視線入力機能+スイッチを使ってピアノ演奏してみたい』
という障害当事者の友人からの相談事に応える形で製作した事がきっかけでした。
福祉業界では、市販BTマウスの左クリック部分を改造して3.5mmジャックを付ける様な改造マウスを使う事が一般的ですが、今回は外出時の使用を想定して、
・持ち運び負担が少ないコンパクトさ
・他の人に見せて「いいなぁ」と言われる可愛さ(マウス/キーボードなどPC機器っぽくなさ)
を狙って製作しました。
iPadを直接操作する事が難しい方にとって、アクセシビリティスイッチ操作はその方の可能性を広げる上でとても重要な大事なデバイスです。そのため、出来る限り、IT系が苦手な方でも、かんたんかつ確実に使える事が大事です。そのことを踏まえた結果、
「ケーブルレスで取り回しの便利なBT無線」だけでなく、
「ケーブルを本体に刺すだけで確実に動くUSB有線」
機能も使える様にしています。
(この辺りは、支援者のITスキルに応じて使いやすい方を使って頂ければと思っています)
プロトタイプ製作に着手したのが2024年10月初旬、
本製作のきっかけになった友人に1stサンプル品を提供させて頂いたのが10月中旬。
同時にSNS公開したのが10/20、そこから可能な体制を1週間で構築して、1週間で1stロット量産。
開発し始めてから1か月以内でモニター提供する形となりました。
https://x.com/ogimotoki/status/1853295572184404000
1stロットをモニター提供させて頂いたところ、本デバイスの当初の想定とはまた違った価値が見えてきました。一番人気だった価値は「画面上の好きな場所にカーソルを動かすだけで確実に動く」点でした。
M3キューブマウスでは、介助者サポート用としてマウスカーソル移動を付けています。
キューブのBボタンを押している間、キューブを前後左右に傾ける事でマウスカーソルを動かす機能です。
市販マウスを使う方にとっては、傾き操作によるカーソル操作は少し使いにくいかもしれません。
本機能はあくまでちょっとカーソルを微調整する等、常時使用でなく「たまに使えたら便利」くらいの補助機能として実装していました。
(その代わり、間違ってマウスを動かしてしまいiPadマウスカーソルがずれてしまう様な、改造マウス固有の課題は本キューブマウスでは起きにくい利点があります)
しかし、実際に、開発品をモニター提供させて頂いたところ、このマウスカーソル操作機能が大変好評!
「カーソルを動かすだけで好きなボタンを福祉スイッチで押せるのがありがたい」
「iPadを施設で共有しているので複雑な設定を都度行うのは難しい。簡単に使えるので便利」
などと嬉しい声を頂いております!
この傾きカーソル操作機能を使いやすくするため、2024/12にVer.2として改善対応を行いました。
・傾きカーソル操作ボタン(Bボタン)を押しやすい位置に移動
・常時ONモードを用意
・キューブを操作者の手や指に固定できる取付を追加
する事で、更なるユースケース展開をこれから進めていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=p93l4c8zxwQ
また、この機能はiPadだけではなくて、Android携帯端末にも使えるので、Androidのタブレットや携帯端末のアプリを外部スイッチで操作する事にも使えました。
私自身、Androidのスマートフォンの画面破損をさせてしまった際の操作手段として活用したこともありました。
https://x.com/ogimotoki/status/1861392472615854224
M3キューブマウスキーボードについては、
ハンドメイド品質(3Dプリンタ筐体)ではありますが、量産製作はできる状態になっています。
ECサイト等へ展開は現時点で行っておらず、
「受注生産型(その人のニーズを聞きその人のために作る)」
形を取っております。
「使ってみたい」「作って欲しい」という方は、別途 お使いのSNS(X / Facebook/Instagram)などのDM等を貰ったら別途調整させて頂きます!
その際には
・通常版 or 機能限定版
・カラー
について合わせて連絡頂ければスムーズに案内できるかと思います。
SNSなどの連絡先はこちら↓
iPadやiPhone/Android等の携帯端末、PCのタッチ操作を外部スイッチ(福祉スイッチ)で操作するために必要なアクセシビリティインターフェースデバイス
3cm角のサイコロサイズという小さい筐体ながらも4種類のデバイスとしてPC/iPadに接続して福祉スイッチを使える
『M3キューブマウスキーボード』
を製作しました。
2024/10/26 ver.1をリリース
2024/12/15 ver.2(改善版)をリリース
2025/1/12 ver.2.5(2スイッチ対応版)をリリース
・意図的な操作時以外でカーソルは動かないため、例えば誤ってデバイス落下や不慮の接触が発生してもカーソルはずれずに、操作者が確実に画面場所をタップできる安心感が魅力!
・例えば、カメラアプリではシャッターボタンにカーソルを設置して外部スイッチで写真撮影したり、ゲームアプリでは特定の操作画面ボタンにカーソルを設置して外部スイッチでアクションする等、様々なアプリに対するタップ操作を簡単に設定できる
・キューブの前後左右の傾け方向に応じてマウスカーソルを移動できる新感覚 ・ボタン押し長押し時のみ傾き検知が有効になるため、不慮の傾きによる誤作動を防げる ・当事者の手に取り付ける事で、手の傾きに連動したマウス操作も可能
・Bボタン(傾きカーソル移動モード用)を背面から側面へ移動(押しやすさ改善)
・マウス機能の長押し/ドラッグ操作に対応
・傾きカーソル移動モードONの条件を、Bボタン長押し時の他に「Bボタン単押し」でモード常時ONにできる
・外装に「ベルト取っ手付き外装」を選択可能。両面マジックテープが取り付けれるため、手や指にキューブ固定が可能。当事者の手の傾きに連動したマウス操作ができる
・2スイッチ対応キーボード送信機能を追加 キーボードモードで「1スイッチ」と「2スイッチ」を選べる
・複数デバイス同時使用配慮 (無線デバイス名を判別できる様に変更)
①有線(USB)マウス : 左クリック (カーソル移動も可)
②無線(BT)マウス : 左クリック (カーソル移動も可)
③有線(USB) キーボード : 特定1文字(ショートカットキー含む)入力
④無線(BT)キーボード : 特定1文字(ショートカットキー含む)入力
マウス機能としては、単に左クリックが使えるだけでなく、介助する方がカーソル位置をちょっとだけ補正できる様にデバイスの傾きでカーソルを微調整できる機能をつけました。
(マウスをメインで使うのではなく、ちょっとだけ使いたいという用途に便利)
ボタンを押していない時はカーソル移動しないため、一般的なマウスデバイスでよくある「誤ってデバイスを動かしてしまいカーソルがずれてしまう」心配は不要です。
アクセシビリティスイッチ入力は、ステレオ-モノラル分離ケーブルを接続すれば
『スイッチ2入力』 にも対応できます。
https://x.com/ogimotoki/status/1878266299115307034
また、「すべての機能はいらない」「決定のみの単機能だけでいい」というニーズに合わせて、
機能シンプル版 にも対応。使いたい目的に合わせてリーズナブルなモノを選べます
(通常版との差分は下図を参照ください)