「ストレスは、気づきにくい。」
私自身、受験期にストレスに気づけず、うつ病と診断されました。
限界を超えてからでは遅い。その実感が、「ストふぐ」開発の原点です。
このデバイスは、Fitbitで取得した心拍の揺らぎ(HRV)をもとに、
ストレスの“兆候”をあくまで擬似的に推定し、フグのようにふくらむ動きでそっと伝えるものです。
科学的に厳密なストレス診断を行うものではありません。
しかし、日々の小さな“ゆらぎ”に意識を向けるきっかけにはなり得ると信じています。
特徴的なのは、通知やアラートではなく、“ふくらむ”という身体的で愛着の持てるフィードバック。
ストレスの数値化ではなく、“気づくこと”“自分にやさしくなること”を目的としています。
仕組みは、スマホでHRVを解析し、BLE通信でESP32へ送信。
ソレノイドバルブで風船に空気を送り、ぬいぐるみの中でふくらみます。
見た目や動きの“やわらかさ”にもこだわり、「生きもののような存在感」を目指しました。
認知科学やHCIに関心を持つ私は、心の動きと技術のあいだにある可能性を探求しています。
これは、ストレスを“計る”装置ではなく、“見つめ直すきっかけ”としてのインターフェースです。
これは、うつを経験した僕が、過去の自分に届けたかった“ふくらむ兆し”。
精密じゃない。でも、そっと寄り添うには、それで十分かもしれない。