Mashup Awardsのプロが選ぶヒーロー賞のイベントレポート、まずはVUIヒーローです。

LINE Clova、Google Home、Amazon Alexaを始めとしたスマートスピーカーに代表されるVUIを用いた作品の中でMAとしての代表を決めるプロが選ぶヒーロー賞、副賞としては賞金10万円とFESTAでの発表権利が与えられます。そんなVUIヒーローの審査基準は以下。

 

・チャレンジ度 (ぶっ飛び度、変化球、独創性、アイデア)
・ギーク度 (突き抜け度、こだわり度、完成度)
・VUI度 (音声活用、対話設計、必然性)

 

このVUIヒーロー決勝では、MAらしい自分のやりたい課題解決、スマートスピーカーにとらわれない発想の新しいVUIを想像するにふさわしい10作品が集まりました。

 

それでは、これらの作品を紹介していきましょう。まずは見事VUIヒーローとなった作品から。

 

■VUIヒーロー

 

稟議・勤怠…、迫りくる大量の承認依頼に追われるめんどくさがり屋なマネージャのためのスマートスピーカアプリ。たくさん来る承認依頼を「ながら承認」という新しいスタイルで救済してくれます。

 

 

スマートスピーカーの発話速度も高速に振っているようでスピーディに承認を行っている様子がとてもシュールでした。怠惰を技術で解決するという姿勢がとてもエンジニアらしくてMA的でもあって素晴らしかったです。デモ動画は以下から。VUIヒーロー、おめでとうございます!

 

 


 

惜しくもヒーローを逃した他の作品も特徴的で、MAらしい開発に取り組んだ作品ばかりでした。他のすべての作品も発表順に紹介しましょう。

 

 

スマートスピーカーには「Clova」「OK, Google」のような呼びかけで起動させる「ウェイクワード」がつきもの。そんなウェイクワードを「ねぇ」のような任意の言葉に差し替えてしまうハックです。

 

デモ動画は以下から。

 

 

 

仕組みはこんな感じ。別のVUIからIFTTT経由で正式なウェイクワードをClovaにつけたイヤホンから出してるんですね。

 


 

 

自分のペースで料理をさせてくれる、音声ベースで料理をナビしてくれるレシピアプリです。

 

 

 

仕組みはこんな感じ。動画にも対応して、食材の切り方なども確認できる仕上がりでした。Amazon Echo Showを始めとしてスマートスピーカーにも画面が搭載されたものが出てきましたが、動画で気軽に確認できる実装ができるのはスマートフォンアプリの強みですね。

 


 

言葉の計算

「言葉の計算」とは、Clova のスキルの一つで、言葉の意味の足し算引き算をクイズとして出題するものです。

 

例えば、「おじいちゃん - 男 + 女 = おばあちゃん」という計算です。

 

単語はあらかじめWikipedia から収集し、word2vec という機械学習を用いてベクトル化しておきます。

 

「おじいちゃん - 男 + 女 = おばあちゃん」など、文字通り言葉を計算した結果を当てるクイズを出題するClovaスキルです。不正解をしてしまうと罰ゲームとして年末に流れてくるあの効果音とともにケツバットがお見舞いされます。

 

 

 

デモで出題された問題はかなりテクニカルで相当難しかったのですが、この出題にはWord2Vecを用いていて単語のクラスタリングを元に出しているみたいですね。

 


 

AIQue

AIQueは、AIへの問いを考えるゲーミフィケーションによって、

人とAIの関係性を見直す作品です。

 

カードに書かれたキーワードを、スマートスピーカーに言わせる。

シンプルなルールながら、どうすれば適切な答えが引き出せるか、

知識力と思考力が問われるゲームをつくりました。

 

たとえば「東京」と書かれていたらその言葉をスピーカースピーカーに言わせるように「日本の首都は?」と問いかける。そんなお題をスマートスピーカーに喋らせるように考えて質問をするスマートスピーカーの特徴を活かしたカードゲームです。

 

 

 

 

周りの参加者はスマートスピーカーのアプリ・スキルといったスマートスピーカーをハックの舞台にしていたのですが、AIQueはスマートスピーカーそのもののハックではなく、特徴を最大限利用したものづくりで、とても印象深かったです。

 


 

 

どこの駅、何番のホームに居ると伝えるだけで、エレベータの場所や授乳室の場所などを音声で教えてくれるスマホが使えない人のためのサービスです。

 

 

Xperia Ear Duoを使ってVUIとのやり取りを実現しています。現状だと授乳室の場所といったデータは新宿駅を歩き回って集めた人力のデータということで、この辺のデータの収集が課題というお話でした。

 


 

魔法の本

Clovaを持ち運んで遊ぶ事に注力したスキルです。

「魔法の本」開いてのキーワードで本を開き、 本に記載されている呪文や、命令を読み上げる事で様々な効果が発生します。

Clovaに専用の魔道書アタッチメントをつけると、雰囲気がでます。

一人で遊ぶだけでなく、家族や、見知らぬ魔法使い達と遊ぶ事もできます!

魔法の例

 

持ち運んで使うClovaスキル。Clovaに魔導書アタッチメントに装着して、雰囲気たっぷりに魔法を扱うことができます。

 

 

 

レベリングが仕込まれていてずっと遊んでいると新しい魔法が使えるようになったりもしていて、とにかく凝っていてすごいなと思いました。お子さんがリモートでデモに参加していたのですが、本当に子供が好きそうなものを実現していて素晴らしかったです。

 


 

 

加速装置

小排気量の車を好んで乗っているななぱぱです。

余計なものを排除することで、必要な性能を得る・・・ゼロ戦の設計に通じるなぁーと思っています。

しかし近年の、酷暑で、エアコンは必須。でも、エアコンつけると加速しない・・・

MT車の進化は自分で行うしかない。と思い、開発しました。

 

夏場の運転、エアコンを付けたいがつけると車が加速しない…、そんな葛藤をVUIで打ち破るスマートスピーカーアプリです。加速装置と叫んで起動してから、アクセルを踏んでいる間エアコンをオフにしてくれます。

 

 

 

実際に車のエアコン配線をリレーでつなぎ直す大規模ハック。エアコンだけで車の動力もろもろ自体には手が入っていないので車検は大丈夫みたいです。

こちらの作品は審査員特別賞を受賞していました。おめでとうございます!

 

 


 

 

翻訳こんにゃくの再実装。RaspberryPi Zeroをメインとしたシステムを仕込んだメガネで外国語の見る、聞く、話すを翻訳して助けてくれます。

 

 

 

VUIの枠を飛び出てGoogle AIYをベースにハードまで作っちゃった作品でした。なんと作り方はオープンソースでGitHubに公開されており、RaspberryPi周り以外の部品は100均ということで安価に作成できるとのこと。気になる方はhttps://github.com/ktrips/smart/を御覧ください。

 


 

 

子供にお手伝いを続けてもらう、そんな案外難しいことをお手伝いをすると貯まるポイントで仕掛けを用意してサポートするClovaスキルです。

 

 

 

デジタル一辺倒なアイディアに偏りがちなところを紙という形に残る手段を融合してきたところが素晴らしかったです。LINEと簡単に連携できるのはLINE Clovaの強みですね。

 


 

以上がVUIヒーローの審査会で発表された全10作品でした。

発表が終わると、懇親会とタッチアンドトライが開催され、皆さんお互いの作品を触り合いながら個人賞をお渡ししていて、とても良い時間が流れていました。

そして審査が終了して審査発表。前述の通り、FESTA登壇権(と賞金)を勝ち取ったVUIヒーローはけいこさんとなりました。おめでとうございます!

https://twitter.com/mashupaward/status/1065822988329607175

 

また、今回のVUIヒーロー審査会に当たりまして、審査を以下の三名の方にしていただきました。ありがとうございました。

 

  • 清野 剛史 氏 / クラスメソッド株式会社
  • スマモト 山本 武尊 氏 / スマートスピーカーエバンジェリスト / 株式会社SmartHacks 代表取締役
  • 千代田 まどか 氏 / マイクロソフト コーポレーション クラウド デベロッパー アドボケイト

 

 

最後に、集合写真を撮って終了です。皆さん、本当にお疲れ様でした!

 

 

イベントの様子は、以下からも見ることができます、ぜひご覧ください。

 

Flickr -> https://flic.kr/s/aHskMVD4vh

Togetter -> https://togetter.com/li/1291209

 


■蛇足

はじめてのVUI部門ということで、一体どんな作品が集まるんだろうと思っていたのですが、スマートスピーカーをハックしたものからそもそもスマートスピーカーには手を入れず使い方をハックしたもの、VUIを飛び出してハードを作っちゃったり車を改造しちゃったものといろんな形で色んな思いを実現していて、とてもMAらしいなぁと思っていました。VUIは今流行りのインターフェイスで、その代表としてスマートスピーカーが存在していると思うのですが、そのスマートスピーカーの使い方にとらわれずいろんな方向・発想からチャレンジをしているのが素直にすごいと思いました。

 

いっぱい買ったもののタンスの肥やしや置物と化していたり、ただ天気を聞くだけの機械になりつつある我が家のスマートスピーカーももうちょっとちゃんと使ってあげたいなー…と思ったりもしました。各スマートスピーカーそれぞれがアプリ・スキルの開発をしやすいように体制が整っているのでぜひ気軽に始めて行きましょう。

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このブログの著者: e10dokup

神戸くらいに住んでるクソメガネ系大学生がメガネをとりパーマをかけたイケイケ気取りエンジニアになった姿。基本的にはカメラマンができるAndroidエンジニアとして無をやっております。最近何かと手を出しすぎて時間がまったくないのが悩みの種。