チーズ星人ごっこ

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2000年ごろにCMに現れたチーズ星人。当時は”チチチチチチ”言いながらチーズかけてみたかった。
この青春の思い出を技術で再現!チーズ星人みたいに”チチチチ”して、食べ物にチーズをかけよう!

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動画
開発素材
システム構成
system image

○どんな体験ができるのか?

普段粉チーズを手で振ってカップ麺や、パスタ、ピザなどにふりかけてませんか?
このマシーンはチーズ星人になりきって、お好みの量のチーズをぶっかける体験ができるシステムです。
ちなみにチーズ星人はこれです

マシーンを操作するときは、このように指を人差し指を立ててチーズを送り込む動作をしましょう。
するとチーズぶっかけマシーンがあなたの動きに合わせてチーズをぶっかけ始めます。

もちろんどれだけぶっかけたかはチーズ星人がチェックしています。チーズ星人からメールでレビューが届くので見てみましょう。良いかけっぷりだと褒めてくれますし、あまりぶっかけてないと「もっとかけろよ!」と圧をかけてきます。

さぁチーズ星人になりきってチーズをかけよう!

○準備するモノ

  • Joy-Con (Bluetooth接続)
  • Unityが使える環境
  • M5 ATOM U (PCとUart接続)
  • 非公式 ATOM motor driver kit
  • チーズぶっかけマシーン

○システムの動きについて

  1. Unityで認識されているJoy-ConのL,Rボタンを押しながらコントローラーを振ると、振られた事をUartでATOM Uに接続します。振っていると1、振り終わると0が送られます。この時同時にPCからは”チチチチ”と自分の操作に合わせてチーズ星人の声が再生されます。
  2. その信号に応じてATOM UがATOM motor driver kitに対して動作、停止の信号を送る事でモーターが動き出します。
  3. モーターの動く力でどんどんとチーズがふりかけられていきます。
  4. チーズのふりかけを止めるときはJoy-conを動かさない、またはL,Rボタンから手を離せばOKです。
  5. L,Rボタンを離して少し時間が経つと、Google Apps Scriptにチーズをかけていた時間の情報をPOSTします。
  6. その結果を使って、Google Apps scriptのメール送信機能を使い、自分のところにチーズ星人からメールが届きます。

追加: 催促機能

このシステムの動きとは別にこのシステムを使いたくなるよう、スマホのメールアプリを起動するとチーズ星人が迷惑メールを送ってくる機能を追加。 この機能はiPhoneのショートカットAppにあるオートメーション機能を使っており、メールアプリを起動するとgoogle apps scriptにリクエストを送信し、それをトリガーにチーズ星人から以下のメールが来ます。

迷惑メールというくらいなので、メール本文にはカップヌードルカレーを購入できるサイトへのリンクが貼られております。

メール自体はスプレッドシートを活用し、シートにある本文や件名などをApps scriptで読み込んで送付できるようにしました。コードを変更しなくても後から簡単に文章や宛先変更ができて良いですね。

ストーリー

○開発背景

今年の開発コンセプトが"昔懐かしい青春の思い出を技術で再現"となっており、何かないかなと考えていた時にふとチーズ星人の事を思い出しました。「チチチチ・・・」といいながらカップヌードルカレーにチーズをかける映像は衝撃的で、学校でチチチチチ言って遊んでいた、そんな学生時代が蘇りました。

当時もチチチチチ言いながら本当にチーズかけれたら面白いだろうなと思ってたものの、その時はそんな技術力も知識もなかったですが、今なら知識もあるしいろんな技術が進歩したので実現できるんじゃないか?と考え、今年の2作品目としてこの ”チーズ星人ごっこ”を作りました。

○作品のこだわり

今まではセンシングや無線通信をメインにした作品が多かったのですが、今回は久しぶりにモーターを使って動くモノを作ってみました。

体験へのこだわり

チーズ星人のあの動きを実際に行ったらチーズがかけられるようにするのは必須だと考えスタートしています。 そのためあの早い手の動きをどうやって取得、そして再現するかを検討。今回はNintendo SwitchのJoy-Conを使うことにしました。Joy-Conの信号をUnity上で処理する事で、他のデバイスへ送ったり、チチチチというチーズ星人の声と合わせて動かす事が実現できました。

ちなみにチーズ星人の声はCMで使われている声をそのまま抽出して再生しています。

また昔懐かしい事を考えて行った時に、明らかに笑わせにきているクレイジーな迷惑メールが流行ったのを思い出しました。
チンパンジーがメールを送っているとか、どう考えてもふざけているあの感じ。懐かしいですね。 正直チーズ星人も訳わからないですよね。だから同じようにチーズ星人から迷惑メールが来て、チーズかける事を促すようにしてみようと思いました。

迷惑メールなのだから、SMSでもなく、LINEでもなく、Eメールでの実現にこだわりました。またここにも技術の進化を取り入れて、メーラーを開いたら勝手に送ってくる事や、チーズをかけ終わったら勝手に感想が届くといった技術的な進歩を取り入れ、ただの迷惑メールから、体験の一つに折り込む演出しました。

技術的なこだわり

このシステムはチーズをぶっかけるマシーンに目が行きますが、作るならしっかりしたモノを作ろうと考えてモーターを動かすためのモータードライバーデバイスの設計からスタートしました。

そしてM5Stackが公式で出してもおかしくなさそうなデザインの非公式ATOM Motor driver kitを開発、これでモーターを駆動させることにしました。とてもシンプルなのですが、筐体設計のレイアウトはなるべく忠実に、そして使っているコネクタ部品は同じモノを見つけて使うなどこだわりがいっぱいです。

これは正直販売してもいいかと思っていますが・・・実際に作ってみると公式がやらないわけがよくわかりました。モーターの消費電力が大きいと、M5の機能が一部使えなくなる事が起こる事を発見!そりゃ売れないわけです。そして僕は開発の中でこの問題に苦しめられます。
この問題を解決するためにM5 ATOM Uを使いました。PCとの通信をATOM Uが行い、ATOM Uは今モーターを動かすべきかどうかをGPIOのHIGHとLOWで出力。それをATOM Liteに判定させて、モーターを動かすためのドライバーに向けた信号を制御するようにしました。こうする事でATOM Liteの負荷を軽減し、落ちる事がなくなりました。

次にぶっかけマシーンのこだわりです。
このぶっかけマシーンはカメラの三脚を使えるようにする事で、いろんなシーンで使えるようにしました。 そのため、わざわざGoProの三脚アダプターがつくように設計しています。
もちろん駆動するメカニズムは回転運動を直線運動に変換するようにする事と、ちゃんとガイド形状を設ける事で正確にピストン運動ができるようになっています。

またチーズのボトルをしっかり取り付けができるようにネジが切ってあります。ここもしっかり設計したので、揺らしている時にボトルが外れることはありません。

○開発後記

今年は日本から離れ、中国で開発を行っています。特にこの作品ではただ面白いモノを作るだけではなく、中国のモノづくり環境を使って何ができるのかを実際に開発をして体験することを裏テーマにして開発をしました。

設計した基板はJLC.com(JLCPCBの中国版)で出し、中国で揃えた工具を使ってハンダ付け。電子部品やネジなどは淘宝(タオバオ)で調達したり、3Dプリントで作った筐体もJLC.comの3Dプリンティングサービスを活用するなど、日本では使うことのできないサービスを活用して作り上げることができました。とても刺激的でした。

裏テーマもしっかりとこなし、いい作品ができたと思っています。

そして、今年は懐かしいだけではなく、実際に体験ができることにも重きを置いた作品です。今は動画だけですが、どこかに持って行って使いたいですね〜。ピザにかけたりとか、みなさんにも楽しんでもらえる機会があれば是非この作品を持って行って遊んでもらいたいと思います!

メンバー

rino products

  • user
    norippy @rino_products
    • Desginer and Engineer

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user
ばんの @tomoki_banno

YouTubeで紹介させていただきました!
https://youtu.be/NIDBk5v0_Og

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オンラインヒーロー by 一般社団法人MA @ヒーローズ・リーグ 2022

かつて見たCMのキャラクターに多大なる愛情と技術をぶっ込んだ作品。本人のこだわりは、愛情と技術を上手く合体させ、デモ動画は見る人に衝撃と笑いを巻き起こしました。この作品を見たら、みんなチチチチチっを真似せずにはいられない!

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Internet of Awesome Things賞 by IoT縛りの勉強会! IoTLT @ヒーローズ・リーグ 2022

チチチチチチチチ!世代の人ならまだしも、知らない人も熱量に圧倒されてました笑 実装範囲の広さのさることながら、JoyCon、独自モータードライバ、チーズぶっかけ筐体など実装のこだわりにも圧巻。チーズのかけ具合によって迷惑メールでFBまであるのは斜め上すぎました。楽しませてもらいました!チチチチしたい!


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