「Calbo」M5StackとDynamixelサーボを利用した卓上ペットの開発

© CC BY 4+ visibility1007
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とにかく癒しを求めたものづくりをしてみたく、黒猫をモチーフとしたロボットを製作しました。
特に何かをしてくれるわけではないけど、そばにいると安心するような。そんなパートナーロボットを目指して。

  • ロボットアイデア賞M5Stack Japan Creativity Contest 2024
動画
開発素材
システム構成

<実装済み(Impremented)>

  1. ST7735を2枚使用したアイディスプレイにより猫の目を表現。まばたきのアニメーションを追加することで目だけでは伝わらない優しさを表現(The eyes of a cat are expressed by an eye display using two ST7735 chips. Adding blinking animation to express kindness that cannot be conveyed with eyes alone)
  2. 定期的にしっぽが揺動することで猫のリラックスした表情を表現(Expresses the cat's joy by periodically wagging its tail)
  3. Dynamixelモータにより、ロボットのパンティルトがランダムに動作する。どこを見てるかよくわからないけどなんかほっこりする猫のかわいさを表現(The Dynamixel motor allows the robot to pan and tilt randomly. Expressing the cuteness of a cat that makes you feel warm even though you don't know where it's looking)

<今後実装予定(Scheduled to be implemented)>

  1. おでこに配置した静電容量センサにより人の接触を検知し、眉間をなでられた猫のうれしそうな表情を追加したい。(I would like to detect human contact using a capacitive sensor placed on the forehead, and add the happy expression of a cat being stroked between the eyebrows.)
  2. 外装天面に配置予定の光度センサにより周囲の明るさを検知する。昼夜で変化する猫の瞳孔を再現したい。(A light detect sensor scheduled to be placed on the top of the exterior will detect the surrounding brightness. I want to recreate a cat's pupils that change during the day and night.)
ストーリー

<0.きっかけ>

 中学生の頃、「もぐっちみーたん」という名前の猫型クッションに一目ぼれしたのですが、当時お金はなかったので購入には至りませんでした。そのまま高専生、社会人となりすっかり忘れていましたが、ふと「もぐっちみーたん」を思い出し、その丸々ずんぐりとしたフォルムと愛嬌のある目を動かしてみたいと思いました。

<1.第一世代(固有名:さくら)>

1-1.コンセプト

 「もぐっちみーたん」に類似するロボットを製作するにあたり1つだけ目標を立てました。 RapsberryPiの活用です。高専時代に一度触ってみたのですが、当時はRaspberryPi自体の技術情報が少なかったことと、自分が得意とするC言語とシステムで要求されるPythonではコーディングが異なることに挫折し、あきらめた経緯があります。Linuxの使い方もさっぱりでした。社会人になった今なら扱えるのではという自信の元、顔認識にチャレンジしつつ、先述のメインシステムとしてRaspberryPi4Bを採用したのが第一世代です。

1-2.オリジナリティ

猫の瞳孔が昼夜で変わるアニメーションを再現したく、取り組んだ動画がXにて反響を呼びました。

1-3.技術資料

参考までに回路図(動作保証はしません)

<2.第二世代(固有名:もも)>

2-1.コンセプト

 第二世代では、第一世代で出た課題や不満点を解消すべく取り組んだものになります。オープンソース化だったり、小型化、コストを考慮した際、メインシステムにRaspberryPiの採用はかなり不遇です。量産性やコスト、入手性を意識した結果M5Stackシリーズを採用する運びとなりました。

2-2.オリジナリティ

 展示会に出展することを考慮すると、移動時や展示時にメインシステムが破損するのはかなりの痛手です。本作の場合、ねこのしっぽにあたるパーツが細くシステム内部のサーボモータと接続されているため、落とすと悲惨なことになります。解決策として、しっぽのパーツを磁石による着脱式にすることにより負荷がかかると意図的に外れるフェイルセーフの考えを導入してみました。

2-3.技術資料

参考までに回路図(動作保証はしません)

2-4.原価

<3.第三世代(固有名:未定)>

3-1.コンセプト

 第一世代、第二世代共通ですが、しっぽの揺動音がかなり気になっていました。卓上ペットとして考えた際にアクチュエータの動作音が常に鳴り続けるのは個人的に不快に感じた上、猫の動作は無音なので第三世代ではそこも再現したいと思いました。しっぽの揺動アクチュエータをサーボモータからステッピングモータへ変更を予定しています。

3-2.オリジナリティ

3-2-1.フェイルセーフへの考え

 第二世代ではフェイルセーフの考えを導入し、メインシステムの壊れにくさを追求しましたが、第三世代ではメンテナンス性に着目してみました。「Calbo」のパンティルトを担うDynamixel製2軸サーボのユニット取り付けが第二世代まではねじで固定しており、組み立ておよび分解に苦労していました。ワンタッチで着脱できないかを検討した結果、TAKIGEN製のラッチロックを利用した取り付け方法にたどり着きました。

3-2-2.猫のねるしぐさを再現

3-3.技術資料

システム構成図(動作保証はいたしません)

回路図(動作保証はいたしません)

アートワーク図(動作保証はいたしません)

3-4.原価

<4.名前について>

Calm(癒す)+Robot(ロボット)から命名し、Calboになる予定です。(2024/8/31時点) 卓上ペットということで「ロボット名」と各家庭で名づけることを想定し「固有名」を別で考えています。

  • ロボット名:Calbo(カルボ)
  • 第一世代固有名:さくら
  • 第二世代固有名:もも
  • 第三世代固有名:未定

<5.最後に>

 余談ですが、社会人になり猫を飼ってみたいという想いからペット可の物件に引っ越し、いざ譲渡会へ足を運びつつ飼育道具も購入していたのですがペットロスや自分の余裕を考えるとやはり生き物の命を預かることに決心がつきませんでした。他にもアレルギーや親の反対などでペットを飼えない方は多いと思います。そういった方々の癒しや拠り所として少しでもお役に立てられるよう今後も開発を進めていきます。

メンバー
  • user
    そらねこ @mossansky

関連イベント
  • event M5Stack Japan Creativity Contest 20242024-06-01 開催
user
小林 竜太 @ryotakobayashi

かわいい!

user
そらねこ @mossansky

ありがとうございます!

user
ロボットアイデア賞 @M5Stack Japan Creativity Contest 2024

133番目はとてもかわいい猫型ロボット、設計の効果がよく、音声発生や音声認識や鳴き声があれば素晴らしいと思います。今のままでも非常に優れており、非常にかわいいです。


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