1.指機構を1枚の紙から構成、2.畳んだ状態の指機構をソケットに複数枚格納、3.ロボットハンドとして利用(サーボモータ1つをarduinoで制御)、4.使用後は古い指を廃棄&交換、5.捨てた指は土に還るorリサイクルして再度利用することで循環型のシステムを構成
Folding Gripper
使い捨て可能な紙製ロボットハンド。
-
ホロラボヒーロー by株式会社ホロラボヒーローズ・リーグ 2021
-
MAID賞 by一般社団法人T.M.C.Nヒーローズ・リーグ 2021
-
FINDERS賞 by株式会社シー・エヌ・エス・メディアヒーローズ・リーグ 2021
- 動画
-
- 開発素材
-
デバイス
- システム構成
-
- ストーリー
-
使い捨て可能な折りたたみ式指機構を持つロボットハンド
高齢化が進んでいる現在、人手不足や重労働の問題を解決するためロボットの導入が進んでいます。しかし、従来の機械部品を使用したロボットは導入が難しい環境もまだ多く存在します。たとえば、食品加工工場では食品に潤滑油が付着する危険があったり食品の大きさや形状のはばらつきに対応する必要があります。また、医療現場で使用する場合は衛生的にも定期的な洗浄が必要となります。 そこで、使い捨てができる汎用性の高いロボットハンドを低価格で実現することでロボットの適用範囲の拡大を試みます。
3つの特徴を持つ指機構(特許出願済み)
・1枚のシートから構成される
それぞれの指は紙などのシート状部品から構成されています。軸や軸受けといった機械部品や潤滑油は一切使必要とせず、安価で使い捨てができるため衛生的な心配が不要です。リサイクル可能なプラスチックシートや土にかえる再生紙で製作することもでき、使用後に薬品を使って洗浄する必要もないため環境にも負荷を与えません。さらに展開図の倍率や素材を変更すればロボットハンド自体のサイズや特性を容易に調節できるため、大型のコミュニケーションロボットから小型軽量のドローンまで様々なものに搭載可能です。
・簡単な制御で様々な物体を把持可能
小さなものは指先でつまむ、大きなものは指全体をなじみ込ませてつかむといったように対象物によって把持方法を使い分けることができます。これにより食品など大きさや形にばらつきがあるものにも対応できます。またこれらの動作は受動動作するリンク機構によりモータ1つで実現できるため、複雑な制御が不要でロボットハンドも軽量・低価格化できます。
・折りたたんでコンパクトに収納可能
使い捨て利用するとなると、指部分をいくつもストックしておく必要があります。そこで、薄板状態に変形できる機能を付加しました。これにより保管時も場所を取らず、保管中に破損するリスクも軽減できます。また、あらかじめ専用のソケットパーツに折りたたんだ指部分を複数枚収納しておくことで、使い終わった指部分の廃棄と新しいものへの交換を付け替えの手間なしに行うことができます。ソケットを複数用いることで指を瞬時に交換できるロボットハンドを製作可能です。
これらの特徴を持つ指機構とソケットパーツを複数用いることで、軽量低価格で、汚れなどの付着物も指ごと交換することで瞬時に除去可能なロボットハンドを実現しました。安価で製作できることを利用し、子供でも組立て可能なキット教材化することも考えています。
- メンバー
-
-
- 手塚 蒼太 @tezuka
-
-
- 関連イベント
-
-
ヒーローズ・リーグ 20212021-09-06 開催
-
ProtoPediaの時間:紹介作品②(第51回〜100回まで)2021-12-01 開催
-
- 同じニオイがする作品
-
-
動く1/11園丁型ロボット兵つくってみた
-
causal SW:電子工作応用教具作成用素材の情報共有コミュニティー
-
多機能!自転車用テールランプ
-
アニメガン
-
すご!!!
これは素晴らしい作品!
YouTubeで紹介させていただきました!
https://youtu.be/nFm0jqI-g60
何よりも”アームを使い捨てて次のアームを装填する”発想に惚れました。リンク機構やarduinoはシンプルな技術としてよくロボットハンドに使われていますが、それを発想とアプローチでここまでオンリーワンなものにしているところが素晴らしい作品でした。
作品の「世界」がたった一枚の紙片から形作られるという点に、作者の強い「偏愛」が感じられる。そして、装置に充填された構造体が射出交換される様は、生物の新陳代謝のような神々しい秩序や美しさと重なり、鑑賞者の心を揺さぶる。汎用性や経済性といった作者の有用性に関する主張は、もはやあまり意味を成さないだろう。
媒体コンセプトの「クリエイティブ×ビジネス」に鑑み、「本格的な事業化、社会実装が可能そうか」という観点で選定しました。日常的な利用だけでなく、現在のコロナ禍における医療現場や今後の災害時にも活躍の機会があるのではないかと期待が持てます。