InfiniFlow Mirror

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Infiniflow Mirrorは従来のインフィニティミラーには不可能だった奥行方向へ引き込まれる表現や、反転せず無限に文字を表示できる装置です。

link https://youtu.be/SWHqpNzNa2Y
  • オンラインヒーロー by 一般社団法人MAヒーローズ・リーグ 2024
動画
開発素材

デバイス

ツール

システム構成
system image

全体の構成はこの様になっています。LEDはSK6812mini-Eを選択し制御はM5 ATOM Liteを使用しています。最初のプロトタイプは144個のLEDがシリアル接続されていますが、接続する個数はInfiniFlow Mirrorの直径によって可変です。

LEDは一列ごとに基板でまとめられています。

各基板は入力として「5V・信号In・GND」、出力として「5V・信号Out・GND」の計6個の接続部があります。基板同士は3本のジャンパー線で繋いでいけば無限に数珠つなぎに増やしていけるる構造になっています。

出来上がった基板をInfiniFlow Mirrorの構造体に取り付けていきます。LEDの消費電流が大きいため、大量のLEDを一度に光らせると過電流で燃えそうだったので、電源とGNDだけは6枚ごとに供給しています(写真の青と黒の線)。

背面に使う鏡はアルミミラーを採用し、表面のハーフミラーはポリカーボネートの厚み0.5mmの物を採用しました。

仕組み解説

正画像と反転画像で見えるLEDを分けることにより、偶数列と貴数列で見える光を分けています。

この構造により一様な光の流れを作り出すことが可能になり、インフィニティミラーの新たな表現が可能になりました!

ストーリー

インフィニティミラーの奥行き方向に光は流せないのか?というのがぼんやりと頭の中にあった疑問でした。インフィニティミラーは合わせ鏡の原理で無限の奥行きを作っていますが、鏡である以上光を手前から奥に動かすと、鏡に映った光は逆に奥から手前に動いてしまうのです。鏡ですもんね

でもうまくすれば「反転をしないように光源を配置」できるのでは? ふと、そんなことが頭の中に浮かんできました。

となると作って確かめたくなります、まずミラーの直径の目標値を決めます。実証実験のため、コンパクトな5cmを目標に定めました。奥行方向の解像度は6ピクセル(=6個のLED)としました。 一列だけLEDを並べてます。6個のLEDを空中配線。肝であるボディは3Dプリンタで作っています。黒いフィラメントは切れていたのでグレーで。 表示させてみると、お!思ったとおりに動いている!

今度は一周LEDを配置します。奥行方向と同じ位のピクセル同士の距離感で周方向にも配置していくと24列となりました。つまりLEDは6x24=144個、大量に使用します。 これを手で配線するのは現実的ではないので上記のようにPCB基板を作ることにしました。 初めての基板設計でなかなかエグい形状でしたが、なんとか動いてくれました(基板作成はJLCPCBに発注)。 よせばいいのに基板へのLEDの取り付けは手ハンダしました。

ボディも形状が複雑なため家の3Dプリンタでは厳しそうです。こちらもJLCPCBにMJF式の3Dプリントを発注しました。

このプロトタイプでLEDを光らせてみました。表示させているパターンはいずれもいままでのインフィニティミラーでは表現できなかったものです。頭の中にあった原理が実際に現実になった瞬間です!

なお、背面のミラーはアルミミラーを使用しています。アルミミラーは表面反射であるため通常の鏡のように透明な層が無く、インフィニティミラーにしたときに像のつながりがきれいになります。また、アルミミラーは反射率が80%以上のためにより深く像が反射することが期待できます。 円形の欲しいサイズの既製品はなかったので、コーワさんの特殊加工から見積もっていただき、発注しました。

https://mirror.kowa-j.co.jp/processing.html

表面のハーフミラーは色々と取り寄せて比較してみました。 その結果、ポリカーボネートの0.5mmが一番奥まで反射するという結果になりました。

このプロトタイプをベースにLEDをSK6812に大型化し、ミラーの直径も拡大したものを作成しました。 SK6812は表面実装のLEDのため、基板を作ると同時に実装まで発注できてしまいます(これが一番の目的)。

LEDを周方向に30列並べたMサイズ。LEDは6x30=180個使用します。

LEDを周方向に72列並べたLサイズ。LEDは6x72=432個使用します。

また、原理上円形でなくても同じ効果が得られるため、四角型のものも作成しました。 こちらは1辺で基板を1枚にまとめられるため、組み立てが非常に楽になりました。

従来のインフィニティーミラーはインテリアとして使用したり、PCや車などの製品に組み込んでドレスアップに用いられています。このような場所をInfiniFlow Mirrorで置き換えることによって、より世界観を深く構築出来るのではないでしょうか? 表示された文字が反転しないので、店舗の看板や、メッセージボードとしても使用できるかもしれません。 現在表示しているパターン以外にも、まだまだ見たことのない表現を出来る可能性を秘めています。 いろいろな人に使ってもらって、新しい表現を見てみたいと思っています。

メンバー
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    工作記録帳 @handicraft_recordbook
    • Designer
    • Programmer, Hardware Engineer
    • Idea

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オンラインヒーロー by 一般社団法人MA @ヒーローズ・リーグ 2024

決勝進出者の相互投票と、ヒーローズビンゴの結果により選出されました。
決勝コメンテーターも「素晴らしい」が止まらなかった、新しい構造と新しい表現を「創造」し見る者すべてを唸らせた作品。
この構造が活用され、今後も新しい表現が生まれ続ける事を楽しみにしています。

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ばんの @tomoki_banno

YouTubeで紹介させていただきました!
https://youtube.com/live/iNJyZgAAe7g


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