■概要
「歩けない子供の日々のツラい歩行練習(リハビリ)を楽しくしてあげたい!」
"I want to make the walking practice (rehabilitation) enjoyable for my son who can't walk!"
を目指したプロトタイプ。
歩行リハビリで使用する靴&歩行器への後付け搭載を前提に、 足の動きを検出し、足を左右交互に進める度に、 「 大好きな音楽を再生」 「 イルミネーションの光演出」 「 足への振動フィードバック 」 「 ロボや市販ゲームアプリと遊べる 」 の楽しいフィードバックを得られる靴を開発しました。
I developed shoes that detect foot movement and, every time the wearer takes a step alternating between the left and right foot, they receive enjoyable feedback in the form of: "Playing their favorite music." "Illumination light effects." "Vibrational feedback to the foot." ”Playable with robot or commercially available game apps"
[本体部]
ESP32で全体制御、M5StickC Plusを液晶画面として使用、簡単なモード設定切替を可能にします。 本体部は、3.5mmステレオジャックで左右の感圧センサー情報を接続。 また、無線モードを有していて、無線モジュールからWiFi(Local AP)として左右の足感圧情報を取得。
この情報を元に、一定以上の足の動くを検知した場合、 「音が鳴る」「光る」そして「足への振動フィードバック」を返します。
左右交互に足踏みする事で音楽が進んでいく一方、 間違って片足を連続して足踏みした場合は失敗音が鳴る等、 **『両足を交互に出して進んでいく」**が自然に身に付く様な配慮をしています。
知的障害のある子供も気づきやすい様に、 ・LEDバーにして前面をすべて光らせる ・大好きなピアノの音が聞こえる様に などのその子の好みに合わせた音源再生が可能です。
[足検出部]
感圧センサーは足の裏に設置できる様にコンパクト化。 また、踏み込んだ時に足の裏に刺激を伝えるため、感圧センサー上に振動モータを設置しているので、センサー一が直感的に分かりやすくなっています。。
[無線モジュール部]
実際に介助付歩行練習で長距離を移動する場合、感圧センサーの配線でひっかかる事を懸念して、 別途 足に装着可能な無線モジュールを製作しました。 無線モジュールからは、感圧値と足の振動情報を検知して、本体部へWiFiで接続可能。 子供の足に装着する際の安全性を配慮して、リポバッテリは使わず、単四電池2本で駆動しています。
■こだわりポイント
小児リハビリ現場で使える超簡単な操作感 (子供を待たせない、プログラム書換えなしで簡単に現場で調整できる)
Ultra-simple operation suitable for pediatric rehabilitation settings (doesn't keep the child waiting and can be easily adjusted on-site without reprogramming).
理学療法士(リハ)の先生と連携して息子のリハビリ現場へ導入/活用 「つかう↔つくる」を繰り返し、実現場で使える機能を盛り込みました。
現場での要望を踏まえて ・踏込み検知閾値の調整機能 (ボリューム抵抗追加) ・センサー取付位置の調整ができる様に、感圧センサーをマジックテープベルトで足に固定 ・ PC経由で音源ファイルの変更が可(プログラム書き換え不要)
実際に3か月使用頂き、現場のリハ先生(非エンジニア)が忙しいリハ現場でも安心して使える靴システムとして提供できる様になりました。
■センシングモード
使用する子供の症例や、実施する歩行リハビリの内容に応じて、4種類の足検出の方法を用意
①感圧モード (有線)
立位状態での足踏み練習を想定しています。 感圧センサーを足の裏に設置して踏む力を検出 (本体とは有線で接続)
②感圧モード (無線)
介助歩行による移動練習時を想定しています。 感圧センサーを足の裏に設置して踏む力を検出(無線) 無線モジュールはマジックテープで足に直接取付できる様にしています。
③本体振動モード
歩行器を使った移動練習時、足にセンサーを取り付けられるのが苦手な子供向けの方式。 歩行移動時に発生する本体部の振動を検出します。
④くつ(足元)振動モード
足裏にセンサーを取り付けられるのが苦手な子供向け 足に取り付けた無線モジュールの振動を検出します。
■ 拡張(Plus)機能~他機器連携~ ※2023/9追加
Melody Shoes本体デバイスでは、「光」「音」という子供が大好きな代表的な要素でフィードバックしていますが、子供の好みはそれぞれ異なるので、より1人1人の好奇心をくすぐる仕掛けの選択肢を広げるため、「歩く」に連動したMelody Shoes追加機能を開発しました。
本体部はBluetoothデバイス(キーボードデバイス)として認識可能としているため、 他機器との連携が可能です。 (例えば、左足を踏み込めば「SPACEキー」、右足を踏み込めば「TABキー」等。 Melody Shoesの本体部/足検出部で検出した指定アクションに応じて、 キーボード入力を行うデバイスになります)
Plus機能① : おもちゃ連動
おもちゃを改造して、無線制御デバイスを接続する事で、「歩く」と「おもちゃ動作」を連動可能に。
例えば、移動ロボを使えば、「歩く」たびに「ロボ」が一緒に動いてくれる体験に繋がります。
移動ロボ側は、M5stump等のESP32系マイコンモジュールを搭載して、Bluetoothホスト機能を実装。 本Melody Shoesとペアリングして、特定のキーボード入力があった場合(例えば、左足/右足を踏み込むetc) ロボが前進する様なプログラム構成をとる事で、連携を実現しています。
Plus機能② : iPadゲームアプリ連携
Melody ShoesはBluetoothキーボードとして認識できるため、iPadに対してスイッチコントロール機器として登録する事ができます。 つまり、右足を踏む or 左足を踏む動作に応じて、iPad上のアクセシビリティにあるスイッチコントロールレシピを動かす事ができます。これを使えば、任意のiPadアプリゲームを歩行リハビリに連動させる事ができます!!
例えば、左右交互に足を踏む度に、ひよこを投げたり、前方にミサイルを発射したり等、市販アプリを組み合わせて遊べます!
iPadアプリは世の中にはたくさんあるので、その子がハマってしまう様な楽しいアプリが見つかる可能性も高い! iPadを歩行器に取り付けて Melody Shoesと連動させれば、簡単に歩行器アプリが誕生します!
Plus機能③ : PCアプリ連動
Melody ShoesはBluetoothキーボードとしてPCと接続する事ができるため、 キーの割り当て方次第では、PCで遊ぶ事ができるゲームやスイッチ訓練ソフトと連動させる事ができます。
例えば、視線入力訓練ソフトEyeMoT Projectで開発されているスイッチ対応ソフト
https://www.poran.net/ito/eyemot/eyemot-3d
3DX Game_00「運動会」や3DX Game_03「玉入れ」とは操作相性が良くて、歩行リハビリはもちろん、手や足を振って動かす動作と連動できます。
MAX4個程度のボタン操作でできるPCゲームであれば簡単に連動できますので、例えば UnityやScartchを使って自作したゲームとも簡単に連動できます。 まさに、プログラミングを習っているクラスの友達にScratch等でゲームを作ってもらい、 それを使って歩行リハビリに活用できる様な、使い方もできるかも!?
HL2022野良ハック賞の候補作品に選ばせていただきました!
https://youtu.be/arVf89S9Zik
@zakkiea さん
動画拝見しました!HL2022野良ハック賞の候補に選んで頂き、光栄です!ありがとうございます
YouTubeで紹介させて頂きました!
https://youtu.be/MgqPA1rOzKM
受賞おめでとうございます。
大人が当たり前と思っていることもそれを知らなければ想像できないしそれをやる意義が見出せない。
自分の意志で行動するとは、大好きなモノを発見し、悩みながらも全力で行動するということなんですね。
楽しい体験をすることが、未知の世界を知ることだということを教わりました。ありがとうございました。
今回は研究アイデア賞ということで選考させていただきました。すごく皆さん、いろんな面白い作品に応募していただけでもありがとうございます。この研究アイデア賞という観点から、皆さん作品を拝見したのですが、結構障害者支援であるとか、IOTそれからメデ...(金沢大学 秋田純一教授 続きは https://www.switch-science.com/pages/research-idea-M5-2023)